2008年7月8日火曜日

毎日新聞問題は、会社広報戦略の問題ではないでしょう。

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●毎日新聞の変態記事騒動ですが、ついにスポンサーが次々に下りる事態にまで発展しつつあるようですね。当然でしょうね。

ところで、何か問題が起こると、有名ブロガーとかアルファブロガーとかいう人種が、例によって、「企業の広報戦略の失敗」とかなんとかいう視点から、何か、わかったような、わからないような、中途半端な意見を述べて、問題の幕引きを演じるという事例が、最近、頻発していますが、これも、その具体例でしょうね。(以下引用の「ガ島通信」藤代裕之http://d.hatena.ne.jp/gatonews/20080707)

おそらく、この連中は、ネット社会における企業の広報戦略なんかを職業としているのでしょうね。「だから、当社にご相談ください」「広報は当社が全面的に引き受けます」とか、なんとか。要するに、毎日新聞騒動も、カネ儲けの一手段に過ぎないのです。

その証拠に、この人の分析の中心は、「私刑化するネット社会」という視点からの分析のようですが、この分析法にそもそも問題がありますね。つまり、この人の重要関心は、「私刑化するネット社会」というところにあり、批判の矛先は、毎日新聞の変態記事の問題ではなく、あくまでもそれを追求し、社会問題化し、そしてやがては企業を潰すかもしれないネットユーザーの異常性の方なのです。

そういう「狂気のネツトユーザーから、企業はどうやつて身を守るか、それを私が教えましょう……」というコンセプトなのです。

言うまでもなく、そんなことはどーでもいいことです。問題は毎日新聞の変態記事とその変態記事の配信を放置し続けた毎日新聞そのものの思考と奢りにあります。しかし、こういう連中は、それよりも、問題は広報戦略の問題だというわけです。

要するに、毎日新聞をつぶすべき時に、こういう商売人は、良識派を気取って、一儲けをたくらんでいるわけです。こういう連中を、アルファブロガーとか有名ブロガーとして、おだててきたのが、これまでのネツト社会というわけです。

アルファブロガーとかいっても、所詮は、彼等が自分達で、お互いに推薦しあっている怪しい組織というか、活動でしょう。植草事件で登場した「貞子ちゃん」や「中年金融マン、ぐっちーさん」の例を見れば明らかでしょう。アルファブロガーなんて言っている連中の多くは、ほとんど、この手のインチキ商売人たちです。

問題を見間違ってはいけません。問題は、毎日新聞の変態記事そのものと、変態記事を書いたオーストラリア人のライアン・コネル、そして毎日新聞そのものです。企業広報の問題などが出る幕じゃありません。

いいじゃないですか、「私刑」でもなんでも。毎日新聞は、これまで、大新聞という制度の下で、「私刑」を繰り返してきたわけでしょう。攻守ところを変えて、ネツトユーザーが、大手メディアに対して、それをやっちゃいけないという理由はないでしょう。



「ガ島通信」藤代裕之http://d.hatena.ne.jp/gatonews/20080707
2008-07-07
■毎日新聞「Wai Wai」問題と私刑化する社会とネット時代の企業広報の視点



毎日新聞の英語版サイト「Mainichi DailyNews」のコーナー「Wai Wai」で変態的ニュースを5年近く配信し続けていた問題は、「私刑化する社会」の代表事例となりそうです。パブリックを背に「社会的な問題」を追求するのはマスメディアだけでななく、ネットメディア(ユーザー)にも可能になったことが明確になりました。私刑はマスメディアの専売特許でなくなったことを示す事例が、マスメディアに対して起きているというのも皮肉な感じがします。


誰もが情報発信できるインターネット時代のユーザーパワーについては、ネット登場時から言われていましたが、2ちゃんねるだけでなく、まとめwikiやJ-CASTニュースといったミドルメディアの誕生が情報共有を容易にし私刑化を推し進めています。このような問題意識と構造は日経IT-PLUSのコラム『インターネットと「私刑」化する社会』に書いた通りです。

コラムでは、テラ豚丼騒動やケンタッキーといった一般の人々の行為について紹介していますが、これらの事例は企業の対応も素早く、アルバイトの起こしたことでもあり、不買運動にまでは至りませんでした(一部で呼びかけは行われた)。

しかし、今回は2ちゃんねるユーザーを中心に毎日JPに出稿している広告主などへの電凸作戦が繰り広げられ、写真のように毎日新聞のウェブサイトのバナー広告がすべて消えてハウスバナー(自サイトの宣伝)になってしまいました。まとめwikiのひとつ「毎日新聞問題の情報集積wiki」には電凸の対応がまとめられています。これらの電凸が実際にあったのか、効果があったので毎日JPの広告が消えたのか分りませんが…

ここまで問題が拡大してしまった原因はどこにあったのでしょうか。

そもそもドンデモニュースの配信をニュースのプロである新聞社が長期間見逃してきたことも大きな問題ですが、処分についての報告に「法的措置を取る方針でいる」と書き加えて騒ぎを拡大させたことは、企業広報の視点から「失敗」と見ることが出来ます。

まとめwikiや検索によって調べてみると、ブログ・Mozu@の囀が4月24日に『毎日新聞英語版は誰にハックされているのか』というエントリーで「WaiWai問題」との表現を使ってトンデモ記事が放置されていることを指摘しています。その後2ちゃんねるのマスコミ板に「■毎日新聞の英語版サイトがひどすぎる■」のスレッドが立ったのが5月27日。J-CASTニュースが『毎日新聞英語版サイト「変態ニュース」を世界発信』との記事を配信したのが6月20日です。

この間に毎日新聞は問題記事の削除しているので事態を把握していなかったということはあり得えないでしょう。この時点で対応していれば、これほどまでに大きな騒ぎにはなっていなかったかも知れません。

J-CASTニュースの記事はヤフーで紹介され多くの人の知るところとなりました。毎日は25日付け朝刊30面に「おわび:英文サイトのコラム 読者におわびします」を掲載、27日には関係者の処分と経緯を公表しました。初動は遅れたものの、マスメディアにしては素早いもので、処分も踏み込んだものであったと思います。

処分までの間は2ちゃんねるでの批判は続いていたものの「大騒ぎ」というほどではありませんでしたが、27日の処分と経緯に後から付け加えられた2行がネットユーザーの怒りに火をつけてしまいます。

インターネット上には、今回の処分とは全く関係のない複数の女性記者、社員個人の人格を著しく誹謗(ひぼう)・中傷する映像や書き込みが相次いでいる。毎日新聞はこうした名誉を棄損するなど明らかな違法行為に対しては、法的措置を取る方針でいる。

週があけた7月1日の月曜日、2ちゃんねるのスレッド「【毎日新聞・変態報道】ネット上に変態報道の処分と無関係の社員を誹謗中傷する書き込み→名誉棄損で法的措置を取る方針」は毎日批判の書き込みで溢れ、あっという間に100を突破。お昼には一度2ちゃんねるが落ちる(アクセスできない状態)になり、スレッドは最終的には230を数え、他にもいくつものスレッドが立つ事態となりました。

各スレッドやブログでは、2ちゃんねる特有の言葉遊びやアスキーアートも数多く書き込まれていましたが、広告主や女性団体、政府機関への電凸やビラ張り、街頭デモ、毎日が記事を配信しているiチャンネル解約の呼びかけも行われ、「日本人を侮辱している」として毎日新聞を訴える人まで出現しました。

2行の蛇足について書き加える必要があったのかどうか、記者や広報関係の何人かと議論を交わしたのですが「女性社員への中傷は目立たなかったのに、毎日が書いたことで目立たせてしまった」「中傷があれば淡々と対応すればいいのに、火に油を注いだ」といった意見でした。ネット上での批判・中傷を抑止しようとリスクマネジメントを考えて付け加えたのかもしれませんが「開き直り」ととられて、逆にクライシスを招いてしまいました。毎日はその後もヤフーニュースのコメントを閉じるなど泥縄の対応を続けています。

広報におけるマネジメントの失敗として知られているのは、雪印や不二家、最近では船場吉兆でしょう。特に雪印はエレベーター前で記者に囲まれた社長が「私は寝てないんだ」と発言する姿が映像で全国に流されて批判を浴びました。多分寝ていないというのは事実なのでしょうが、そのような発言があるたびにマスメディアは「反省の色がない」「企業体質がにじみ出ている」などと批判してきました。

これまではマスメディアしか多くの人に情報を伝えることが出来なかったので、パブリックの代弁者として、不祥事を起こした企業や組織が真摯に反省しているか、それとも開き直っているのか、マスメディアが判断してきたところがありましたが、本来は消費者やユーザーが判断するものです。

まとめwiki「毎日新聞の英語版サイトがひどすぎる」は、6月25日に「このまとめサイトの目的はWaiWaiを潰すことだったので、目的が達成された以上、毎日新聞をこれ以上糾弾する意図はありません」と更新を一旦ストップしていましたが、7月3日に「事態の推移を見守ってきたのですが、毎日新聞側の対応が余りにも悪いのではないかと感じています。毎日新聞には、誠意ある対応をしていただきたいと思います」と書き加えています。蛇足など書かず、真摯にユーザーに対応していればこのような問題意識の高いユーザーから見放されずにすんだでしょう(対応によっては逆に信頼や満足度が上がる可能性がある)。

ユーザーが「誠意がない」と捉えれば、毎日がどんなに誠意を持って対応していると自身で考えていても意味がありません。逆に「社内の基準や業界としては良くやっている」という内側意識があるのだとすれば、それは致命的なものとなるでしょう。

また、不祥事があった企業の商品を撤去しないのか、対応しないのかといった問い合わせを行って騒ぎを拡大するマッチポンプもマスメディアが行ってきたことでした。

例えば、製造日や原材料表示偽装事件を起こした赤福の商品を扱っている百貨店や駅に電話して「どう扱いますか」と聞くようなことです。マスメディアから「他の百貨店は撤去すると言ってますが」と言われて、「ウチの店では以前と変わらず置きます」と答えるのは批判の矛先が自分に向く可能性があり、勇気がいります。

これは電凸と構造としては変わらないものです。いたずらやお遊びなら威力業務妨害になるかもしれませんが消費者の抗議行動という側面もあります。マスメディアも広告を止められれば機能がストップする営利企業です。電凸による言論への萎縮効果は考えなければいけませんが(その程度で萎縮するようなら、偉そうにジャーナリズムとか言うなという説もあるが…)ネット時代にはユーザーから意識が乖離した企業はマスメディアであっても無傷ではいられません。

このような事例は一般企業にとっても大きな課題を突きつけています。古くは東芝クレーマー事件から電凸は企業に威力を持つことが分っていますが、いまや多くの人が簡単に情報発信でき、ミドルメディアの登場で情報が共有・拡大するスピードが比べ物にならないぐらい早くなっています。従来であればクライシスマネジメントはマスメディアにどう対応するか、という部分を押さえていればよかったのですが、これからはネットメディアやブロガーは取材を受けるのか、名前を知らぬ個人からの問い合わせにもどこまで対応するか判断が求められることになります(素早く対応しながら、不当な要求には毅然とした対応を行うことが大切であることは言うまでもありませんが)。



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