2008年10月12日日曜日

池田信夫は「ケインズ革命は幻想だった」と言うけれど?

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●池田信夫ブログ


★池田信夫は「ケインズ革命は幻想だった」と言うけれど?

池田信夫センセイは、今回のアメリカ発金融危機に接して、大慌てで、ここまでアメリカ経済を牽引してきた経済思想としての「新自由主義」の擁護に必死のようです。

今度は、ケインズとマルクスの批判をすることによって「新自由主義」を擁護すると言う作戦を取り始めました。池田信夫センセイの頭の中では、ロシア革命とケインズ革命は「目の仇」のようですね。

しかし、それよりも、池田信夫センセイの応援をしているのが「藤井まりこ」ですからね。「藤井まりこ」と言えば、いうまでもく「植草事件」で、「反植草」の立場から怪しい動きを繰り返していた「あの人」(笑)ですから。

ところで「新自由主義」とは、ケインズ経済学やマルクス経済学の「批判」としての政治的役割を持っていたことが、これで明白になりましたが、では、このアメリカ発の金融危機は、アメリカ新自由主義とは無縁なのでしょうか。まさかケインズやマルクスに原因がある、なんて言っているわけではないでしょうね。

ここで池田信夫センセイが、ケインズやマルクス、あるいはその思想を信奉している経済学者たちを批判するのは、この金融危機を契機に「新自由主義」の破綻が明らかになり、ケインズ的な有効需要理論、つまり「需要不足」に対する「需要」を喚起する「景気対策」という名の財政出動主義が、経済ジャーナリズムで復活してくることを警戒しているからです。

しかし残念ですが、ソ連解体後、世界経済を我が物顔で闊歩してきた経済思想を理論的に支えてきたフリードマンらの「新自由主義」の「敗退」は明らかです。


ケインズ革命は幻想
2008-10-11 / Books

Friedman -Schwartzの大著"Monetary History of the United States 1867-1960"の、大恐慌の章だけのダイジェスト版が再発売された。原著は、大恐慌の原因を「有効需要の不足」とする通説に挑戦し、その責任が FRBの誤った金融政策にあることを明らかにして、経済学や経済政策に大きな影響を与えた古典だが、膨大なデータの並ぶ900ページ近い本で、通読した人はまずいないだろう。本書も読みやすいとはいえないが、大恐慌の本質がマネタリーなものだったことを立証する点で、現在の危機を理解する役に立つ。

もう一つ重要なのは、当時と現在の違いである。シュワルツもいうように、1930年代のFRBの政策が通常の景気循環を大恐慌にしてしまったので、中央銀行がそんなバカな政策さえとらなければ、「大恐慌の再来」はありえない。90年代の日本も同じで、ゼロ金利や量的緩和を行なった日銀を昭和恐慌と同一視して「清算主義」などと罵倒するのはナンセンスである。日本の長期不況の本質も金融危機だったので、不良債権を清算しないかぎり危機は脱却できない。

シュワルツも本書の序文で書いているように、「ケインズ革命」といわれたものは今となっては幻想で、『一般理論』は厳密に定式化すれば、固定価格のもとでの一時的な不均衡状態を記述する「特殊理論」にすぎない。その弊害は、ある意味ではロシア革命より大きい。ロシア革命が間違いだったことは今日では誰でも知っているが、ケインズ革命の影響はまだ政治家やジャーナリストに残っているからである。

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